
【邦題】不明《日本未公開》
【あらすじ】舞台は1947年のLahore(ラホール)。ラホールは、宗教・人種のことなる人々が多く住む街だった。映画は8歳のパルシー(拝火)教徒の少女、レニー(Lenny)を中心に進む。彼女の子守役であるヒンズー教徒のShanta(シャンタ)の周りには色んな人々が集まる、ヒンズー教、イスラム教にシーク教。宗教は違えども、みんな仲良くやっていた。しかしイギリス殖民時代が終わろうとし、インドとパキスタンがそれぞれ独立に向かいだすと、町中はパニックの中残酷な争いへと発展し…。レニーの周りも次々と変化していく…。

ディーパ・メータ(Deepa Mehta)監督の「
Water」をこの前見て、
気に入ったので彼女のほかの作品も…と思ってみたところ、
Waterは3部作になっていて、ほかに「Fire」と「Earth」がある。
順番は逆になってしまうけど、二部目を見ました。
Waterは静かにパワフルな感じだったけれど、
今回の「Earth」はなんともインパクトが強くてとても残酷だ。
実際のインドの分離独立時代を元にしたものなのだけれども、
今回もまた悲しい物語になっていました。
大きなお屋敷でなんの問題もなく(…足は義足だけど)暮らしているレニー。
彼女は自分の子守役のシャンタのことが大好き。
いつもシャンタのいくところには自分のついていくレニー。
美しいシャンタの周りには色んな男たちが集まる。
宗教は違っても、仲間だ。
そう誓ったはずの彼らなのだけれども、分離独立が始ると同時に関係は悪化していく。
この映画では結構残酷なシーンが多くてついつい目を逸らしちゃいました。
今まで仲良くしてきた違う宗教の人々が、
この分離独立の不安や怒りから互いを殺し始める。
ヒンズー教とシーク教がイスラム教を攻め、
イスラム教がヒンズー教とシーク教を攻める。
そのそれぞれの殺し方がなんとも無残で。
どんどん荒れていく町の風景がなんとも悲しく……。
興味深いのがレニーの家族がパルシー(拝火)教であるということ。
パルシー教は中立の立場にあって、争いからは外されている。
平和であるように思えたレニーの家だったけれども、
働いているものたちの宗教はバラバラ。
その中でシャンタはヒンズー教だった。
最後の最後にイスラム教のものたちが彼女を捕まえにきた時、
そこに昔の仲間の姿があったのがなんとも悲しかった。
昨日まで普通に友達だったものたちが、
国の分裂により、裏を返したように変っていく。
「独立」というと聞こえはいいかもしれない。
長年支配された英国が出ていって、「自由」になるのだ。
しかしその代償は大きかった。
「独立」という名の「分離」。
こういった悲しい時代背景の中の人々の視線が、
とてもうまく描かれていたと思う。
☆☆☆☆☆
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