スプートニクの恋人/村上春樹

スプートニクの恋人
【あらすじ】22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。―そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー。(@Amazon.co.jp)



最初に読んだのは随分前だと思う。
友達がおいていってたので、久々に読み返してみた。

なんとも不思議なラブストーリーなのだけれども、
じわじわと静かにのめりこんでしまう。
人生はきっと説明できることばっかりではないし。
時には、無駄なことだって必要だ。

とても丁寧に描かれてて、
読んでるとついついその人物のイメージや、
風景や香りなんかが浮かび上がってくるような気がする。




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thema:読んだ本。 - genre:本・雑誌


スイートリトルライズ/江國香織

スイートリトルライズ スイートリトルライズ
江國 香織 (2006/08)
幻冬舎

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【あらすじ】「恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに。」家のなかには、甘く小さな嘘がある。大切なのは日々を一緒に生きること――。一日のはじまり。この日常に不満はない、と、瑠璃子は思う。淋しさはたぶん人間の抱える根元的なもので、聡のせいではないのだろう。自分一人で対処するべきもので、誰かに―たとえ夫でも―救ってもらえる類のものではないのだろう。でも、と、聡の好きな桃をむきながら瑠璃子は考える。でもそれなら、春夫といるときに淋しくないのは一体どういうわけだろう。あんなにみちたりてしまうのは。



久しぶりに江國香織の本を読んだ。
彼女の作品の中では「神様のボート」が一番すきなんだけれども。
読みながら、なんとなくわかるような気がした。

周りからは、羨ましがられるような結婚生活。
満たされているはずなのに、何かが足りない…。
そういうのは結婚すると必ずやでてくるものじゃないんだろうか。
お互いに持つ小さな嘘。
しかしその嘘によって生まれるお互いの利点。
決してフェアではないけど、わからなくはない世界。

男と女ってのは、わからないものだ。


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thema:読書メモ - genre:本・雑誌


ケッヘル(上)(下)/中山可穂

ケッヘル〈上〉 ケッヘル〈上〉
中山 可穂 (2006/06)
文藝春秋

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ケッヘル〈下〉 ケッヘル〈下〉
中山 可穂 (2006/06)
文藝春秋

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【あらすじ】ケッヘル番号が、わたしをこの世の果てまで連れてゆく。モーツァルトの音楽に取り憑かれた男と、過去の亡霊から逃げ続ける女。出会うはずのない二人の人生が交差した瞬間、狂おしい復讐の幕が上がる。



中山可穂の作品は初めて「マラケシュ心中」を読んだ時から好きな作家さん。
そこから他の作品も気になって読んできたんだけど、もうずっと読んでない。

emiちゃんのブログ読んでたら新刊が出てることを知って、
読みたいとは思ってたんだけど、ハードカバーは高いし荷物になるし…、
と思ってたら府中の図書館にいったら、あった!
しかも上下揃ってたので、さっそく読み始めたんだけど……、

これはすごい。
一気に上下読んだけど、もう読んだ後くらくら(笑)
とにかく内容が濃くてすさまじい。

今回はサスペンス要素も含まれていたのでまた面白いし。

話はふたつの物語が同時に進んでいきます。
腹黒な代議士の妻と恋に落ち、駆け落ちした主人公の伽椰。
逃げるようにして日本を飛び出して、ドーバー海峡で出会った不思議な男、遠松。
ふたりの人生が交差して、過去の話に飛びつつ、平行で進んでいくストーリー。

確かに「復習劇」であるんだけど、
「愛すること」とか、その観念とかそれに執着する人々とか。

中山可穂の作品には、いつもどこか「執着」という思いがあると思う。
人を愛することに対していつも貪欲で、ねっとりと絡みつく感じ。
それが今回の作品でも出てて、それがいつも以上に激しい感じもした。
色んな思いが交差して読んでるとなんとも息苦しい。

ただ、やはりいつも感じるんだけど、
彼女の書く、文章の流れというか、言葉の使い方というか、
そういうのが好きで読みやすいからどんどんと先に進んでしまう。
それでもやっぱり上下あるし、なんとも内容が重いので、
読み終わったあとは相当脱力してしまいました。
エネルギーを吸い取ってしまうような小説です。

あと、題名のケッヘルからもわかるようにモーツァルトが絡んでくるんだけど、
これがまたマニアックで、ここにもまた執着心が強く感じられる。
うまい具合にケッヘル番号とモーツァルトの音楽・人生と絡まってて、
それらのピースが合わさっていくのが面白かったです。


『ケッヘル』話題の本:ALL ABOUT
http://allabout.co.jp/interest/book/closeup/CU20060622A/


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thema:紹介したい本 - genre:本・雑誌


光ってみえるもの、あれは/川上弘美

光ってみえるもの、あれは 光ってみえるもの、あれは
川上 弘美 (2003/09/10)
中央公論新社

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【あらすじ】『ふつう』の16歳の高校生翠は、母と祖母との三人で暮らしている。そんな家にふらりとやってくる翠の遺伝子上の父親の大鳥さん。母も祖母も大鳥さんも少し風変わり。そんな風変わりな大人達に翻弄される翠。そして、親友の花田は、ある日突然セーラー服で登校しはじめる(彼なりのちゃんとした理由があるのだけれど)。そんな風変わりな人々に囲まれて、『ふつう』の少年翠が少しずつ大人に向けて成長していく物語。


やっぱり川上ワールド好きです。
この前読んだ「ニシノユキヒコの恋と冒険」より、私はこの本のほうが好きでした。
結構分厚い本なんだけど、なんだかすらすらと読めてその世界にのめりこんじゃう。

登場人物がとにかく面白い。
主人公は16歳の男の子、翠くん。
祖母の匡子さん。お母さんの愛子さん。精子を提供した大鳥さん。
あとは彼の友達の花田や、彼女、先生、愛子さんの恋人の佐藤さん。
これらの人物たちが味を出しててなんとも面白い。
私はおばあちゃんが一番好きかな。

不思議な家庭環境の中で育った翠くんはやっぱりちょっと変わってる。
高校生らしいのか、高校生らしからぬ、なのか、不明。
でも、彼なりに周りの人々と少しずつ色んなことを感じて考えていく。

なんだか暖かくて、ちょっと懐かしくて。
読んだあとに微笑みたくなるような小説でした。

江戸の日の習慣が好きです。
(それがどういう日なのかは本を読んでください)
私もそんな日を作りたい(笑)



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thema:オススメの本の紹介 - genre:本・雑誌


Chelsea/桜井亜美

チェルシー チェルシー
桜井 亜美 (2004/06/11)
講談社

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【あらすじ】ネット掲示板「メビウスゼロ」に書き込みをする“チェルシー”と名乗る少女。その掲示板では、集団自殺旅行『フェアウェル・ツアー』が計画されていた。気怠い毎日に感じるぼんやりとした苛立ち。そして、そこからの逃亡。チェルシー、ポッキー、プリッツ、ハイジの4人は、富士の樹海を目指す。死へと向かっていく少女たち、スリリングな旅の果てにたどり着く場所は―。


昔は彼女の小説好きだったんだよね。高校生の頃。
途中からなんか似たような話が多いのとあんまり何も感じなくなって読まなくなった。
久しぶりに図書館で見つけたので、暇つぶしに読んでみた。

樹海で集団自殺をしようと試みる少女が主人公。
なんだかやっぱり全然共感できませんでした。
昔はもっと奥があったような気がしたんだけど、なんとも伝わってこない。

確かにいまどきの話といえばそうだけど、もっと掘ってほしかったなぁ。
描写というか、やっぱり内容が半端なのかな。
結局何がいいたいのかよくわからない。ラストもなんだか中途半端。

あっという間に読めたけど、何も残るものはなくて残念。


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thema:読書メモ - genre:本・雑誌


九月の四分の一/大崎善生

九月の四分の一 九月の四分の一
大崎 善生 (2003/04)
新潮社

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【あらすじ】“世界一美しい”と言われる石畳の広場でひとり途方にくれていた。逃れるようにして辿り着いた場所で君と出会った。失ったはずの大切なものを僕は取り戻し、君はあいまいな約束を残して、追われるように姿を消した…。表題作ほか三篇。失われたときの痛みとぬくもり心のゆらぎを紡ぐ著者初の短篇集。

「報われざるエリシオのために」
「ケンジントンに捧げる花束」
「悲しみも翼もなくて」
「九月の四分の一」

全部で4つの話が入ったこの短編集。
基本的に大崎善生の書く恋愛小説が好きなので読みやすかったです。
うまくまとまってて、基本的に長編がすきなんだけど、たまには短編もいいな。

私が一番印象に残ったのは、2番目の「ケンジントンに捧げる花束」。
なんか他の3作とちょっと違った感じなのです。
主人公は、将棋の雑誌の編集者(…なんでいっつも彼の作品には編集者が多いんだろう?)で、
ある日、彼の元に一通の手紙が届く。
それはイギリス人の老女からで、日本人の彼女の夫がずっとその雑誌を楽しみにしていて、
この雑誌により彼は元気を取り戻したというお礼の手紙だった。
それを読んでこの老女に会いに行く話なんだけれども。
運命とかめぐり合わせとかそういうものを考えてしまう作品。

その他の作品もなんか、短編で違う話なのに、
なんだかどこかで繋がっているような不思議な感じでした。


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thema:ブックレビュー - genre:本・雑誌


ニシノユキヒコの恋と冒険/川上弘美

ニシノユキヒコの恋と冒険 ニシノユキヒコの恋と冒険
川上 弘美 (2006/07)
新潮社

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【あらすじ】ニシノくん、幸彦、西野君、ユキヒコ…。姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう。とめどないこの世に真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、傑作連作集。


なんとも不思議な本でした。やっぱりさすが川上ワールド。
ニシノユキヒコというどうしようもない男の人の話なのだけれども、
面白いのが、彼に関わってきた女性が彼について語っているところ。
それが小さい時から、彼がずっと大人になるまで繋がってるんだけど、
読んでいくにつれて彼の人柄というか、そういうのが明らかになっていって。
それに、彼に惚れる女性たちの想いとか。

とても上手く描かれていて、本当にニシノくんのイメージができてしまう。
女にもてるくせに最後には必ず去られちゃう。
誰かと付き合っている時でも、いつも他の誰かを探してる。
本当は寂しいのか、なんなのか。
読んでいると本当にどうしようもないのだけれども、
彼を憎めない理由がなんだかわからなくもないような気がする。

本当に不思議な世界で、なんだかちょっとせつなくなったな。


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thema:読んだ本。 - genre:本・雑誌


愛よりも速く/齋藤綾子

愛より速く 愛より速く
斎藤 綾子 (1998/09)
新潮社
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【あらすじ】快感は一瞬だった。それでも、私の肉体は、深い陶酔に永遠を感じていた。奔放な性体験。寄せては返す快楽の波…。私は日々痺れていた。肉体を捧げるオスに奉仕し、心を許せる女に嵌まっていた―。売り、援交、SM、輸姦、乱交、不倫、同性愛…エロスの王道を歩む23歳の女子大生が、怖いもの知らずで体験した数々のセックス遍歴。時代を軽やかに突きぬけた、大胆不敵なラブ&ポップ。


なんか適当に読むものが欲しくて、珍しく中身もちゃんと見ずにジャケット買いしてしまいました。
でも、表紙が綺麗で買うってことは実は結構あるんだけども、
今回はちょっと完璧失敗でした(汗)

なんかある意味エッセイみたいな形で、進んでいくんだけど私には到底ダメでした。
たぶん描き方だと思うんだけどあれを面白いと思う人は思うかもだけど、
私は断然読む気をなくして、読み終えることもなく本を置いちゃいました。
こんなに面白くない本は久々かも(笑)

でも感じ方はひとそれぞれなので、試しにかじってみるのもいいかも?(笑)


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thema:ブックレビュー - genre:本・雑誌


西の魔女が死んだ/梨木 香歩

西の魔女が死んだ 西の魔女が死んだ
梨木 香歩 (2001/07)
新潮社

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【あらすじ】中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。


この本すごくずっと読みたいなと思ってたくせに、なんか買うことなかったんだよね。
でもやっぱり本屋に行くたびに気になってて、今買わないと
きっと読みたいと思いつつ読まないだろうなと思って買いました。
買ってみて正解。
そして今まで読まなかったことをちょっと後悔。

彼女の書く文体とか、文章全体の雰囲気とかが一気に好きになりました。
もちろん彼女の作品はこれが初めてだけど是非他のも読んでみたい、と。

あらすじだけ読むとなんだか児童向けファンタジーという感じがして、
確かにそうではあるんだけれども、でも大人のためのファンタジーでもあるかも。
いや、でもこれってファンタジーではないんだよね。
すごく柔らかくそして穏やかに話が進んでいくけど、的を得てる。

イギリス人のおばあちゃんの言うことがなんだか胸にしみる。
そして彼女が話す言葉、なんだか敬語で話すところもこの本の雰囲気を出してるな、と。
普通に話すんじゃなくてなんだか独特な語り口調。
まるで彼女の言葉からつむがれるものが本当にお告げのような感じ。

そしてそんなおばあちゃんを魔女と読んでいる主人公まいちゃんと、ママ。
その魔女という表現がなんだかとてもぴったりで、だからタイトルにも納得。
読む前はなんであんなタイトルなのか知らなかったの。

最後のほうは思わず泣けてしまいました。
暖かくて、読んだ後になんとも不思議な気分になる。
とてもいいお話だと思います。




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thema:オススメの本の紹介 - genre:本・雑誌


シャワー/喜多嶋隆

シャワー シャワー
喜多嶋 隆 (2005/03/25)
角川書店

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【あらすじ】本田哲男、36歳。カメラマンとして成功をおさめていたある日、哲男は親身に異変を覚える。手が震えてシャッターが押せない。恋人を抱いても勃たない。「原因は心の“金属疲労”」と医者は言う。休むしかなかった。ひたすら走ってきた成功への日々が、音をたてて崩れ去る…。傷つき、故郷に戻る哲男。そんな時、一人で食堂を切り盛りする女性・凪に出会う。彼女の逞しさ、生命力あふれる純朴さに惹かれていく哲男。やがて、二人は恋愛関係に。彼女との交わりに生と性の回復を感じる哲男。だが、凪はある理由から、どうしても最後の一線を越えることだけは拒んだ…。求め合いつつも、ひとつになれない切なさを本音で描いた、大人の恋愛小説。


初めて読む作家さんなのだけれども、ついつい帯にやられて買いました。
しかもブックオフで100円だったし(笑)
あっさりと読めたのはいいんだけれども、なんだかイマイチ。
「大人の恋愛小説」みたいなのが書いてあったんだけれども、
どこらへんが大人の恋愛小説なのかがよくわからない。
セックス描写は結構あるからそれを指しているのだとしたらちょっと低俗な感じがする。

言いたいことはわかるんだよね。
仕事詰めで自分が見えなくなっていた主人公が、故郷に戻って、
そこで一人の女性と出会って、その人を通して自分というものを取り戻していく。
それはわかるんだけど、なんか物足りない。
こういう自分を取り戻す作品というものは結構あると思うんだけど、
でもどうもしっくりこなくて駄目でした。

最後のほうもなんかメロドラマか?と思ってしまったんだけど…(汗)
でもこの作品はこの作家さんのほかの作品に比べると異色らしいので、
今度機会があったら他のも読んでみようかな。





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thema:読書メモ - genre:本・雑誌


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