Blind Spot: Hitler's Secretary (2003)

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【原題】Im toten Winkel - Hitlers Sekretärin
【邦題】不明《日本未公開》
【あらすじ】ヒトラーの秘書として長いこと彼に仕えてきたユンゲの体験を綴ったドキュメンタリー。



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黙々と自分の記憶を辿るように綴られるユンゲの言葉。
世界の歴史の中で【モンスター】として記憶を残すあのヒトラーの元、
秘書として長い間仕えてきた彼女の証言は、
ヒトラーという人物、当時の状況、彼の周りの状況を浮かび上がらせる。

本当にただ永延とユンゲが自分の体験を語るだけのドキュメンタリー。
それが余計に、彼女の抱えてきた後悔、重みのようなものを
浮き彫りにしているような気がした。

1942年。第2次世界大戦の真っ只中、22歳のユンゲは秘書として雇われた。
当時のことを彼女はこう振り返る。
自分は若く、初めてヒトラーに会った時、テレビなどで見る彼との違いに驚いた、と。
テレビなどでは威嚇するようなスピーチをする彼が、
実際に会ってみれば穏やかで、普通に笑みもするし、
自分はどこかヒトラーを父親的存在としてみていたのだ、と。

彼女が本当にヒトラーが、ナチが、何をしているのか知ったのはすべてが終わってから。
自分が仕えていた人間があれだけの大虐殺を起こしていたと知ったあと、
彼女はどれだけの色んな重荷を抱えていきていきたのだろうか?
「年をとれば取るほど、長く生きれば生きるほど、罪の意識はおおきくなった」
そう彼女は言う。
最初は若さのせいにしていたと彼女は言う。
自分は若くて世間のことに疎かった。
でも、後に彼女は当時の自分と同じ年でありながら
"打倒ヒトラー"をスローガンにレジスタンス活動を行い、
のちに処刑されたゾフィー・ショルの存在を知る。
(映画:Sophie Scholl: The Final Days 白バラの祈り-ゾフィー・ショル、最期の日々-
自分と同じ年に自分とはまったく正反対の道を進んでいた彼女のことを知り、
ユンゲはショックを受ける。
そこで気付くのだ。「若さ」のせいになどできないのだ、と。

何かを押し殺すかのように話す彼女の言葉はとても重く、
その皺のひとつひとつまでが何かを物語っているようだった。



公式サイト
http://www.sonyclassics.com/blindspot/


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thema:今日観た映画 - genre:映画


Lives of Others (2007)/善き人のためのソナタ

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【原題】DAS LEBEN DER ANDEREN
【邦題】善き人のためのソナタ
【あらすじ】1984年、東西冷戦下の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)局員のヴィースラーは、劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタが反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。成功すれば出世が待っていた。しかし予期していなかったのは、彼らの世界に近づくことで監視する側である自分自身が変えられてしまうということだった。国家を信じ忠実に仕えてきたヴィースラーだったが、盗聴器を通して知る、自由、愛、音楽、文学に影響を受け、いつの間にか今まで知ることのなかった新しい人生に目覚めていく。ふたりの男女を通じて、あの壁の向こう側へと世界が開かれていくのだった…。(@goo映画)



この曲を本気で聴いた者は、
悪人になれない




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アカデミー外国語受賞作品。
予告観てずっと観たいと思ってたんだけれども、
アメリカでようやくDVDになったので鑑賞しました。

ドイツ映画というと、今まで私が見てきたものは、
とことん重たくどん底のようなものが多かったので、
観る前までは、そのような観たあとに暗くなっちゃうようなのだと思ったけれど、
観終わりにはじんわりとした気持ちになれて、
良い意味で期待を裏切られた作品です。

この映画は、ドイツが東と西にまだ別れていた時代で、
人々を監視するシュタージを題材にしているけれど、
私が感じたこの映画のテーマというのは、
確かに歴史的部分も強いかもしれないけれど、
そのまんま「人間」がテーマだと思う。
権力で、何もかも支配できそうに思えるけれど、
どんなに人々をおびえさせても、どれだけ人々に圧力をかけても、
「心」というものはいつだって簡単にコントロールできるものではない。

淡々とではあるけれど、一人の冷血なシュタージが、
少しずつ心を取り戻していく様子がとてもうまく描かれていた。
人はやはり人と関わりあって生きていくものである。
それが直接的であろうと、間接的であろうと…。






公式サイト
http://www.yokihito.com/





以下ネタバレ。
自己責任で。




 more...

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thema:★おすすめ映画★ - genre:映画


Perfume: The Story of a Murderer (2006)/パフューム ある人殺しの物語

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【邦題】パフューム ある人殺しの物語
【あらすじ】18 世紀のパリ。悪臭立ちこめる魚市場で一人の赤ん坊が産み落とされる。危うく捨てられかけた赤ん坊は、間一髪で拾われ、グルヌイユと名付けられて育児所に引き取られる。グルヌイユは友だちもいない孤独な子どもだったが、何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける超人的な嗅覚の持ち主だった。やがて青年となったグルヌイユは、ある時運命の香りと出会った。それは赤毛の少女の体から匂い立っていた。しかし彼は、怯えて悲鳴を上げようとした少女の口をふさぎ、誤って殺してしまう。以来、彼は少女の香りを再現することに執着し、香水調合師バルディーニに弟子入りするのだが…。(@allcinema)



それは、昨日まで人だったもの。


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2時間半もあったのに、飽きずにのめり込めて面白かった。
奇妙な話ではあるけれど、それでいてなんだかちょっと物悲しい。
もっと綺麗な話かと思ったんだけど、初っ端からいきなりグロテスク。
結構生々しいシーンも多かったりして…。
「香り」がテーマの作品を、臭いの出ないスクリーンでどのように表現するか。
それ結構良くできてたと思います。
思わず香ってきそうだったもん。

犬のような臭覚の持ち主の主人公グルヌイユ。
ある女性と出会い、彼女から立ち込める香りに衝撃を受ける。
このときから彼の奇妙なフェチズムがはじまるんだけども……。
気配なしにいきなり後ろにたってて、
何も言わずに体中の臭いを嗅ぐところなんてなんとも気味悪い。
このときに、彼は彼女の香りを保存することができなかったから、
香りを保存することに執着するわけなんだけれども……。

師匠にならったように12種類のベースと、
たった1種の特別な香りのために次々と女性を殺していく。
それもまた奇妙なんだよね。
髪の毛を全部そって、体中に動物の脂を塗りたくる。
あくまで彼がほしいのは「香り」であって、究極のフェチ!!

最終的に捕まってからどうなるんだろうと思ったけど、
あんな風になっていくなんてびっくり!!
あのセックスシーンは前代未聞だよね(笑)
でもこのときの、彼の涙がなんとも可哀想で。
結局自分だけが愛をもらえない。孤独のまま。

最後の最後もびっくり。
呆気に取られている間に終わりました(笑)

音楽がとても良かったな。
あとグルヌイユ役のベンくん。
これからどんな役をしていくのか気になっちゃいます。






公式サイト
http://perfume.gyao.jp/


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thema:DVDレビュー - genre:映画


Sophie Scholl: The Final Days (2005)/白バラの祈り -ゾフィー・ショル、最期の日々-

白バラの祈り -ゾフィー・ショル、最期の日々-
白バラの祈り
-ゾフィー・ショル、最期の日々-

監督: マルク・ローテムント
ユリア・イェンチ/アレクサンダー・ヘルト/ファビアン・ヒンヌフリフス
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【あらすじ】ヒトラー独裁政権下における戦況にも陰りが見え始めた1943年のミュンヘン。“打倒ヒトラー”をスローガンに掲げる地下組織“白バラ”は、ビラ配りなどの地道な抵抗活動を行っていた。その日も集まり、ビラを郵送する手配していた彼らだったが、メンバーの一人であるハンスが、余ったビラをミュンヘン大学の構内にばら撒くと言い出した。反対する仲間を尻目に、危険が伴うこの行動をハンスとその妹ゾフィーが実行することに。(@eo映画)



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実話を元にしたこの映画。
レジスタンス活動が見つかって捕まってしまい、
そこから執拗な尋問を受けながらも、
自分の信念を貫き、最期まで決して屈しなかった女性の話。

これは、たくさんのレジスタンス活動を行っていた人々のひとり。
その一人に焦点を当てて作られたものだけれども、
いつの時代も学生の力、意欲というのは強いものだなと実感。
大人たちの執拗なまでの尋問に対し、
これから自分の身に降りかかることが怖くなかったわけでもなかろうに、
凛とした表情で、淡々とでも強い意志を持って話す姿は、
いろんな意味で周りを怯ませたのだろうなと思う。

尋問に対し、始めは徹底的にレジスタンス活動を
否定していたゾフィーだけれども、
一旦認めてしまえば、「こんなことをいて恥ずかしくないのか」
という尋問員の質問に凛としたまま
自分たちがやってることを誇りに思うわ、と応える。

彼女のその強さはどこからくるのか。
背景として、映画の中では宗教が取り上げられてる。
神などいないというナチズムに対して、
必死に神に祈りを捧げるゾフィー。
でも、それ以上に彼女が育ってきた環境だったのかもしれない。
少ししか触れられなかったけれど、彼女の両親。
父親の教えが、ゾフィー、そして兄に深く刻まれていたのかも。

人間というのは、どんなに圧抑をかけられようとも、
自分の信念があればきっと強く生きれるものなのだろう。


公式サイト
http://www.shirobaranoinori.com/

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thema:DVDで見た映画 - genre:映画


Before the Fall/Napola (2004)/エリート養成機関 ナポラ

エリート養成機関 ナポラ
エリート養成機関 ナポラ

監督:デニス・ガンゼル
トム・シリング/フロリアン・シュテッター/ユストゥス・フォン・ドーナニー

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【あらすじ】ドイツ映画祭脚本賞受賞作。ヒトラーの権威が頂点を極めようとする1942年、ナチス要人にボクサーとしての才能を認められたフリードリヒは、自分の可能性を信じて貧しい実家を飛び出し、ナチスの若手エリート養成機関、通称NAPOLA(ナポーラ)に入学する。上官や上級生のしごきやいじめに耐える中で、共に暮らす友人達との連帯を強めていく彼だったが、戦争の苛酷さが次第に陰を落としていく…。(@Amazon)



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……はぁ、この重たさはやはりドイツ映画。
観たあとで決していい気分になるわけではないのだけれども、
この時期のナチスを扱った映画というものにどうしても興味が湧いてしまう。
それは、あんなに大きな悲劇を生み出した戦争、あの当時のドイツ、
そこに住んで、生きてきた人たちの精神状態というか、
ドラマというか、そういうのが気になって。

これもまた、ずどーんっとやられました。
でも、実際にこの時期にこういうことが「普通のこと」として行われていたのは怖い。
そして似たようなことがいま現在起こっていないともいえないし、
形は違っても似たようなことが垣間見れるのが怖いところ。

貧しい家庭に育ったものの、ボクシングの才能があった主人公のフリードリヒ。
NAPOLAの上官に気に入られて入学するものの、
少年はエリートになる夢と希望だけで、何がそこで行われているのかは知らなかった。
この時代"らしい"なと思ったのが、入学検査で、頭蓋骨の大きさを測ったり、
目の色、髪の色とかでランクつけしていたこと。
いかに差別的だったか…。

教育といっても、もちろんある意味洗脳のようなもの。
徹底的にナチスの考えを叩き込む。
同情や、情け、優しさなどは無駄なだけでいらぬもの。
こうしてあのような冷酷なSSが作られていったのかと思うと、
この学校は本当に殺人鬼を生み出すようなものだったのかもしれない。

フリードリヒが友達になった男の子は、
エリートの息子だけれども、訓練がエスカレートしていくうちに、
学校の方針についていけなくなって、自殺してしまう。
彼が死んだことを知らされたSSの父親が、彼の死を悲しむことなく、
逆に「あいつは弱すぎた…」と述べるシーンは彼らは本当に心がないのかと、
人間らしさのなくなった大人の反応がぞくっとする。

この時代の思考と、それによって人生が狂わされた少年たちの姿が
本当に観ていて胸が痛い。


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thema:DVDで見た映画 - genre:映画


Downfall (2005)/ヒトラー ~最期の12日間~
ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション
ブルーノ・ガンツ (2006/01/14)
日活

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【邦題】ヒトラー最期の12日間
【Story】1942年、トラウドゥル・ユンゲは数人の候補の中からヒトラー総統の個人秘書に抜擢された。1945年4月20日、ベルリン。第二次大戦は佳境を迎え、ドイツ軍は連合軍に追い詰められつつあった。ヒトラーは身内や側近と共に首相官邸の地下要塞へ潜り、ユンゲもあとに続く。そこで彼女は、冷静さを失い狂人化していくヒトラーを目の当たりにするのだった。ベルリン市内も混乱を極め、民兵は武器も持たずに立ち向かい、戦争に参加しない市民は親衛隊に射殺されていく。そして側近たちも次々と逃亡する中、ヒトラーは敗北を認めず最終決戦を決意するが…。(allcinemaより)

気になっていた映画だったので、やっと観れました。なぜか昔からナチ時代のドイツに興味のあった私。6億人というユダヤ人を虐殺したナチズムの心理とかそういうのに興味があって。「シンドラーのリスト」や「ライフ・イズ・ビューティフル」、他にもナチズムの恐怖を描いた作品はたくさんある。そんな作品をたくさん見てきたけれど、この映画は一味違う。あの恐怖から数十年、色んな波乱を巻き起こしてドイツ自身が作り上げたこの映画。ヒトラーの死にいたるまでの数週間を描いたこの作品は、なんだかとてもせつなくさせた。

モンスター、無慈悲として描かれていたヒトラーが、この映画の中ではただの一人の人間である。そう、ヒトラーも、サドなSSたちも所詮はただの人たちだった。家族がいれば、愛犬もいるし、自分を慕う人々がいる。ただの「普通」の人たちだった。そんな人たちが巻き起こした残虐の悲劇。それが余計に恐怖を煽るし、そしてせつなくもさせる。人間という生き物ののはかなさや、無残さ、弱さが見え隠れする。

ドイツがどんどんロシアに迫られて、戦争に負けるとわかるとヒトラーから人々は離れていった。それでも、彼に対する執着心を持つ人々もたくさんいた。ドイツの人々は、ヒトラーに何かを求めていた。彼のアイデアに、決してすべては賛成できなくても、彼の中にある何かに、漠然と縋っていた。これを観ていたらなんだか、エーリッヒ・フロムのEscape From Freedom(自由からの逃亡)を思い起こさせた。

この映画はあくまで、ヒトラーの秘書の視点から描かれているので、色んな部分がかけている。それが賛否に関わったのだろうけれども、私はこの映画よくできてるなと思いました。確かにヒトラーは、モンスターのような人だった。人を人として思わずに、残虐な行動を繰り返した。しかし、後にも彼もまたただ一人の人間であった。人の中に潜む暗闇に支配されてしまったものとしてよく描かれていたな、と。

これは、ぜひ観てほしい。
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The Experiment (2001)/es[エス]
es[エス] es[エス]
モーリッツ・ブライプトロイ (2003/01/16)
ポニーキャニオン
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【邦題】es[エス]
【Story】「被験者求む。模範刑務所で2週間の心理実験。報酬は4000マルク」という新聞広告を目に留めたタレク。かつては敏腕記者だったが今はタクシーの運転手をしているタレクは、この実験をレポートし記者として復活しようと考え、さっそく申し込むことに。面接に合格し、タレクを含む20人の被験者が集められ実験はさっそく開始された。実験用に用意された刑務所内では被験者たちが看守と囚人に分けられた。始めは皆、お金だけもらい、さっさと終らせようと遊び半分で参加していた実験だったが、1日経つか経たないかの間に、被験者たちの態度に変化が現れ、実験はとんでもない方向へ………!


■被験者求む■
・拘束時間:2週間
・報酬:4000マルク
・応募資格:不問
・実施場所:大学内模擬刑務所


ずっと気になっていた映画で観たいと思ってたのだけれど、ようやく観ました。これは実際にアメリカのスタンフォード大学で行われた実験の内容(実際の実験については、此方[リンク先は英語です])を元にして、ドイツ人の監督が、ドイツを舞台として作った映画。観終わったすぐに寝たんだけど、あまりにもちょっと色々と頭の中で考えてしまったせいか、ちょっと心理的にかなりダメージを受けてしまったのか、ちゃんと寝れなかったよ(汗)

普通の人が、ボランティアとして応募したこの実験。説明だけ聞くとすごく単純に聞こえる。囚人と看守に別れてのロールプレイ。期間は2週間。それだけでお金がもらえるならって、集まってきた男たち。この映画の主人公になるのが、タクシーの運転手。元メディア関係の仕事をしてた彼は、ネタになると思って応募する。囚人役になった彼は、こんなのはただのゲームだ、と軽く見ていたのだけれども……。

本当に、人間が"状況"によって"役割"によってどれだけ変わるのかが痛いほどわかる。現在取っているSociologyのクラスでも、ずっと学期を通して話し合ってきたことが、本当にわかる。

看守になったものは、囚人になったものよりも早く、その"役割"に溺れていく。それはきっと実際の生活で得られない「パワー」を得たからか、なんなのか。権利を持つことができる人間は、その力に「自己」を奪われる。実験の中で、囚人は看守に絶対服従だ。そのパワーを得たことにより、看守役の男たちは、コントロールを失う。そのパワーによって、自分が何も力がないことを感じる囚人たちは次第にすべてを受け入れていくようになる。

これを観てると、ナチの看守や、イラク虐待などにも説明がつく。Sociologyのクラスでも話し合ったけれど、残虐なことをしている人たちは、どこか心理的に問題があるのかと思うけれど、実はそんなことは全然ないのだ。第2時戦争のあと、色んな心理学者がナチの看守の心理学的なことを勉強した。でも、誰もが「普通」の人なのだ。普通に家族がいて、きっと家に帰ったら普通の「父親」や「母親」なのだろう。普通に仕事をするように、残虐なことをし、そしてまた家族のいる家庭に戻る。

この「普通」の人が怖い。この映画の中の看守役の人々だってそうだ。別に普通の人たち。何の問題もない。ただ、看守という絶対的パワーを持つ状況の中で、人が変わった。単に何も感じなくなったのか、感覚が鈍ったのか。「実験」という名の元に何をしてもいいと思ったのか。すべての責任は自分たちにはない、「実験」という名で、教授がいうように自分たちはしているだけだ、という責任逃れの感覚から出たものか。

考えれば考えるほど、なんとも怖い。

似たような実験がある。有名な実験で、「実験」という名の元で、ボランティアを集めて、電圧を上げさせる。隣にはその電圧を受ける人物がいる。叫んでやめてくれと騒いでる。大概の人が、電圧を受けている人間が叫んで、ヘタすると死ぬかもしれないのに、電圧を最高まで上げた。それは、教授が「大丈夫、コレは実験だから」という言葉の元。自分の下に責任が感じないせいか。実験では、実はこの電圧を受けている人物は、すべて演技だ。もちろんボランティアの人間はそんなことを知らない。

とにかく、なんとも後味の悪い映画だったけれど、考えずにはいられない。

Normal people are capable of doing terrible things.

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Run Lola Run (1998)/ラン・ローラ・ラン
ラン・ローラ・ラン ラン・ローラ・ラン
フランカ・ポテンテ (2004/01/21)
ポニーキャニオン

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【邦題】ラン・ローラ・ラン
【Story】本国ドイツで大ヒットを飛ばした、ハイテンションなラブ・ストーリー。SOSの電話を受けた主人公・ローラが家を飛び出すオープニングから、思いもよらない結末まで、物語がスピーディに展開。主人公達の運命が、フィルムとビデオ、カラーとモノクロ、写真、アニメーション、画面の分割、早送り、コマ落とし等、あらゆる手段を駆使した映像で語られる。ベルリン、夏。ローラの家に恋人マニから突然電話が掛かる。ボスの10万マルクを無くし、12時までに金を作らないと殺されると懇願するマニ。彼の悲痛な叫びを聞いたローラは、金を工面するため家を飛び出す。


この映画、前にみたBUTTERFLY EFFECTを思い起こさせる。最初はちょっと何が起こってるのかわからないんだけれども、すぐに、彼女が何度も同じことを繰り返して、成功するまで同じコトをやってるんだと気づく。映画の合間にアニメーションが入ってるのも面白かったし、なんだか色んなところに面白いしかけみたいなのがあって、観てて楽しかった。色んなシチュエーションがあるんだけど、どれでも、やっぱり題名みたいに、ローラはいっつも走ってて。撮影するの大変だったんだろうなぁ。

最後はなんかあっさりで、思わずわらってしまったけど、なんだかスピード感があって、テンポよく観れるのでなかなかすっきり面白い映画でした。


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Good Bye, Lenin! (2003)/グッバイ、レーニン!
グッバイ、レーニン! グッバイ、レーニン!
ダニエル・ブリュール (2004/10/16)
ビデオメーカー

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【邦題】グッバイ、レーニン!
【Story】テレビ修理店に勤めるアレックスの父は、10年前、家族を捨てて、西ドイツに亡命。以降、母クリスティアーネは、その反動からますます東ドイツへの愛国心を強めていく。そんなある日、反社会主義デモに参加し、警察と衝突しているアレックスを目撃したクリスティアーネはショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。その間にベルリンの壁が崩壊。しかし、数ヵ月後、クリスティアーネは奇跡的に覚醒するが、医師は、「今度強いショックを与えたら、命取りになる。」とアレックスに宣告する。アレックスは、母親にショックを与えないよう、東ドイツの崩壊を隠すために、ニュース番組を自主制作したり、東ドイツのピクルスを探したりと涙ぐましく奔走するが…。
Ariane Kerner: You were in a coma. Eight months ago.
Christiane Kerner: Eight months? What happened?


なんとなく気になっていた作品。ドイツ映画。この主役のアレックスのママがとても綺麗でした。演技もとてもうまくて、儚さの中に垣間見れる強さ。なんていうか瞳の力?視線が何もいわなくても物語ってる気がして、とても綺麗でした。彼女自体もとても綺麗な人なんだけれども、私は彼女が映画の中で醸し出していた雰囲気がとても好きだった。

内容は、なんだかよくよく考えるとクレイジーな話よね。母親を心臓発作から守るために嘘を突き通すといっても、やはり時代の変化は大きくて、嘘を突き通すのは大変。食べ物のレーベルを張り替えたり、彼女のためだけに偽のニュース番組を創り出したり、と。

話の内容とともに、ドイツの歴史も垣間見れて結構面白い。でも、本当にドイツって歴史ってよくよく考えると本当に奥深いわよね。

なんだか、ほんわか、じんわり、良い話でした。
Posted by あすか。
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